nazo_3 |
そして最大の不思議
どうしてダイヤの婚約指輪を給料の3ヶ月分のお金で、買うものだと思わせられたのか?
なぜダイヤモンドでなきゃいけないんだぁ?!
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売り手側が、メチャクチャに資金をつぎこみコマーシャルを展開して男性にやっと給料の3ヶ月分の予算を出させても、他の宝石を選ばれてしまったらパァで、絶対にダイヤモンドを買ってもらわなくては意味が無いからです。
この戦略を始める頃D社は全世界のダイヤの取引において、ほぼ90%近いシェアーを持っていました。 ところが旧ソビエトでダイヤの大きな鉱脈が発見され、ザクザクと小粒のダイヤを主に掘り出し始めました。
さあ一大事このままだと、D社のコントロールの効かないダイヤが大量に、世界のマーケットに流れ出す事になり、今までのようにダイヤの価格を支配できなくなり、また価格も下がってしまいます。
もう必死の交渉の結果なんとかほぼ全部買い取ることになりヤレヤレです。しかし買ったのはいいが売らなくては在庫がどんどんふくらんでしまいます。そこでひねりだした作戦が全世界で結婚する男性をターゲットにし、ダイヤのリングを売りつけようという、「世界的大キャンペーン」。
その一環として日本で、「婚約指輪を3ヶ月分の給料で買いましょう」となったのです。
0.3〜0.5ct前後のダイヤがこうして大量に日本にながれこんできました。これこそまさにどんどん売りさばきたい、小粒のダイヤです。 |
日本はいまでも世界で一、二を争うダイヤの輸入国ですが、「ケシ粒の様なメレーダイヤ」や「1ct以下の小粒の石」がほとんどで、大きい石はあまり多くはありません。まんまと戦術にはまった日本人は業界をあげてせっせ、せっせと小粒ダイヤを買い続けてきたのです。
さてD社のコピーの一つ<ダイヤモンドは永遠の輝き>と言うのがありますが、これにも販売上非常に深い意味付けがしてあるのです。さ〜てこれの意味するところ、
「結婚当時の心のときめき・輝ける記念のダイヤは手放す事無くいつまでも持ち続けましょう、先々もっと大きいダイヤを買うことがあってもね。」と言うことなのですよじつは・・・。
007シリーズのタイトル「ダイヤモンドは永遠に」もこの戦略にタイアップしたものです。 |
つまり、今後もし大きいダイヤを買うときに前の小さいダイヤを手放されると、莫大な金と手間をかけて売りさばいたダイヤがまた市場に戻ってきてしまい、市場価格が下がってしまうからです。どうしてか。
中古車や古着はいずれボロボロになって市場から退場していきます。その点ダイヤは鉱物的性質から叩き潰しでもしない限り、リングの枠さえ替えれば即新品に早変わりして何度でも市場にリターン可能な訳で、石(ダイヤ)を売る側にとっては困った商品なのです。
とにかく「タンスのこやし」でもなんでもいいから手放さず、そしてもっと別のダイヤを買いましょうということなんです。他にも色々手の込んだ作戦を展開しています。
結婚10周年記念に10個のダイヤが付いたリングを贈りましょうというもの。
けれども、結婚して10年というのは、子供が生まれていたり、住宅ローンをかかえていたりと、ダイヤモンドどころではない人の方が多いんじゃないでしょうか、あんまりうまくいってないみたいです。
この作戦は小粒ダイヤを10個まとめて売っちゃいたいってことです。
あとは熟年の男性に、貴方の奥様の長年の労に報いるために1ct以上のダイヤを贈りましょう、というのもやってますがこちらもパッとしない。
やはり婚約指輪以上にブレーク(刷り込み)していないようです。D社の広告は表向きは男に向かってささやきかけるものばかりですが、実は女性にも、
貴女達は、結婚の時は給料の3ヶ月分のダイヤを〜、また結婚10周年にはスイートテンダイヤを〜、そしてご主人が退職金をもらったら1ct位のダイヤを買ってもらうのは当たり前・当然なんですよ〜。
って、ささやきかけているのです。そしてコマーシャルと奥様の視線が相乗効果となって、日夜ご主人にプレッシャーをかけ続けていくのです。 |
最近のコマーシャルでは女優のF・Eさんがどうやら婚約リングらしきダイヤをつけてキャッキャッと嬉しがっているシリーズやってますが、こわいですね、私は。だって、あのダイヤかなりデカイ石ですから、彼女があのコマーシャルを見ている様でしたら、絶対に見たこと無いとトボケましょう。 |